« 古川家 | トップページ | 隅きり »

2008年3月21日 (金)

鷹揚な時代

国登録有形文化財「男山」この建物は、登記簿に「木筋コンクリート三階建て」と記載されています。

調査時、この記述をどうするか?で悩みましたが、ウォッチング説明時には土蔵造ではありますが「登記簿」には木筋コンクリート三階建てと書いてあります。と、話しております。木筋とはなんともユニークな構造体名称(竹筋コンクリートはあります)で、それがそのまま通ってしまった昭和5年頃と言うのはなんとも鷹揚な時代と言いますか・・・。

今は、建築基準法はさらに厳しくなりこんな名称は絶対に有り得ませんが、当時の世相を物語り、時代が分るとても面白い名称だと思います。

P11006101

昭和6年に、高村光太郎が気仙沼を訪れています。海から気仙沼入したわけですが、彼が一番最初に目にしたのはもしかしたらこの建物だったかもしれません。そう思うと、この前に(当然、現在公園のように整備はされていませんでしたが)立つ、高村光太郎の姿が目に浮かびます。

50年以上も過ぎた建物を「歴史的建造物」と呼ぶことがありますが、時代を経てきた建物は、建築時代を含め長い時の歴史を今に物語る大きな参考書そのもので、そう考えると木筋と言う摩訶不思議な呼称も何とも愛らしい表現だと感じます。

気仙沼全滅!と報道されるような昭和4年の大火の後、焼け野原状態の中で昭和5年に建ったこの建物を見て当時の人々は(3階建ての建物を見ることも少なかったでしょうから)驚きと賛美の目でこの建物を見上げた事でしょう。

そう思えば、「木筋」などと有り得ない表現は使ってはいけないとの見方も有りましょうが、今後も残していきたい表現ではあります。「文責 ma」

« 古川家 | トップページ | 隅きり »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。